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神楽月のまったり日記。 取扱いジャンルやその他もろもろを萌えの赴くままにつらつらと。 ネタバレ考慮なし注意。
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息抜きです。突発です。
ついったのお題診断で出たものです。別にこのお題が見たいと言われたわけではないんですが、浮かんでしまったのでついつい突発です。
お題が三つ出る診断で、なぜこうしにネタを選んでしまうのか不思議です。
しらみねワールド全開です。
でも、遥かのときも九景で同じような展開の話を書きました。
いや、うん。はい。成長してません。はい。


あ、まずはお礼を!
拍手ありがとうございます!とても嬉しいです!頑張れます!ありがとうございます!!


突発SSですが、以下の注意をよくご理解いただいた上で、大丈夫な方のみ【続き】より閲覧下さいませ。
注意を確認せずに閲覧いただいての苦情等はいっさいお受けできません。自己責任でお願い致します。

●IAです。
●しにネタです。
●パラレルです。といっても食い込んだ設定は立ててませんがしにネタって時点でパラレルですのでパラレルです。
●流血描写ありです。
●もう一度言います。しにネタです。


オールOK!の方のみ、【続き】よりご覧下さいませ。
くどくてすみませんが、苦手な方が多いであろう内容なのでご理解下さい。
では、どうぞです!




 動かなくなったものたちに目もくれずに三田は慌てて浅草に駆け寄った。
 剣を投げ出すように地面へ置き、膝をつくと浅草を抱きかかえる。
 ざっと浅草の身体に視線を走らせ、三田は青ざめた。
 おびただしい量の出血。
 浅草の身体を支える三田の手や身体すらすぐに赤く染めていくそれは、止まることはなかった。
 そして、三田には一目でわかった。
 彼の負った傷は致命傷だと。
「浅草っ! 浅草っ!!」
 理性ではわかっているけれど、感情が認めなかった。
 血の気の引いた浅草の顔だけを見つめ、目を開けろ、と懇願に似た叫びで彼の名を叫ぶ。
「み、た……」
 三田の声が聞こえたのか。
 浅草が薄く目を開いた。
 霞みかかった茶色の瞳には、彼の持つ明るい光は見つけられずに三田は唇を噛む。
「おま、え……ぶ、じ……?」
「無事だよ! 馬鹿野郎……っ! なん、で……っ」
 オレなんかを庇ったのか。
 問いは音になることはなかった。
 ふわり、と。
 心から嬉しそうに浅草が微笑んだのだ。
「そ、か……よか、た……」
 ふらふらと浅草の手が上がる。
 まだぬくもりを宿す指先が、三田の頬に触れた。
「お、ま……えが、無事なら……いいん、だ……」
 浅草の指先が僅かに動いた。
 まるで何かを拭うような仕草に三田の表情が歪む。
「ば、か……っ、馬鹿野郎……っ」
 それ以上の言葉が言えずただ繰り返す三田へと、浅草が微笑んだ。
 頬を撫でる指がさらに優しくなる。
「み、た……いき、て……な? いき、て……」
「馬鹿っ! 何言って……っ! そんなこと、言うなっ」
 まるで最期の言葉のようなことなど、浅草の口から聞きたくもなかった。
 怒鳴る三田に、浅草はただ微笑む。
 今まで見たこともないほど、優しくどこまでも透明な笑みだった。
「助かる……っ! 絶対助けるからっ!! だから……っ」
「三田」
 叫ぶような三田の声を静かな音が遮った。
「泣くなって……み、た……」
 ただただ優しく指が頬を撫でていく。
 自分が本当に泣いているのかなんてわからなかった。
 いや、泣いているわけない。
 泣く理由なんてない。
 なぜなら、浅草は助かるのだから。
 助からないわけがないのだから。
 そうでないといけないのだ。
「三田……」
 三田の思いを砕くように、限りなく優しい声音が名前を呼ぶ。
「三田……好き、だよ……ず、と……おま、えだけ……」
 愛してる。
 優しい声が今まで一度も形どらなかった音を紡ぎ。
 ずるり、と浅草の手が三田の頬から落ちた。
「浅草っ!?」
 咄嗟に離れる浅草の手を繋ぎとめ、三田は愕然と浅草の名を呼ぶ。
 薄く微笑みを浮かべた顔。
 瞼は閉ざされていて、明るい茶色の瞳を見ることは叶わなかった。
「おいっ! 浅草っ!! う、そだろ……っ!? 冗談は止めろよなっ!!」
 強く浅草の手を握り、声を絞り出す。
「馬鹿っ! 浅草っ! そんな冗談、面白くもなんともねぇんだよ!! おい、目開けろよな……っ!!」
 頭のどこかで理解していても、三田は認めないとばかりに叫び続けた。
「浅草っ! 浅草っ!! 馬鹿……っ!!」
 いくら名前を呼んでも、浅草は答えもしなければ、目を開けることもなかった。
 いつでも楽しげに笑い、からかうような声色で明るく三田の名を呼んだ声はもう返らない。
「馬鹿野郎……っ」
 ぽたり、と浅草の頬に雫が落ちた。
「馬鹿野郎馬鹿野郎ばかやろ、う……っ!!」
 慟哭が聞くものなく空へと吸い込まれていく。
「何、勝手に満足してやがるんだよ……っ!! オレは、まだお前に何も言ってねぇっ!!」
 強く浅草の身体を抱き締める。
「オレだってなぁ! お前のことが、好きなんだよ……っ!! ずっと、お前だけを……っ」
 掠れる声を必死で絞り出した。
 言葉を続けていれば彼が目を覚ますとでもいうように。
「好きだ……っ、浅草……っ!! 逝くな……っ!! ずっと、傍にいてくれよ……っ! 浅草……っ! お前がいないで、お前のいない世界で、オレは、どう、すれば……っ! どう、生きて、けば……っ」
 浅草、と応えないものの名前を何度も呼んだ。
 流れる雫を拭う手はもういなく、呼びかけに応える声ももうない。
 それでも三田はその場を動くことが出来なかった。
 自分の体温を分け与えられれば、彼がもう一度応えてくれるかと信じるように。
 冷たくなっていく唯一の存在だった身体を抱き締め続けた。

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お題の内容は『途絶え行く息に吐き出した感情』でした。
どうしてこうなった!と今では思わなくもないです。が、楽しかった!楽しかったんだ……っ!
こう、がっ!と感情を吐き出すのは書いていて楽しいです。
設定とかはとくに考えてないのですが、鉄道路線は人と同じ意味での「死ぬ」ということはないと思っているので、その時点でパラレルです。ま、だから「剣」とか最初に書いているわけです。自分的にパラレルだぜ!という記号ですね。
浅草はすべて計算ずくです。いや、さすがにみーたん庇って瀕死ってのは計算してませんが。自分が助からないと悟っての、みーたんへ向けた言葉は計算ずくです。
ここで浅草が「生きて」と言えばみーたんは絶対に従うとわかっています。浅草の最期の言葉を無視してあとを追うということは出来ないとわかっているからこそ、です。でもって、ここで「好き」と告げてしまえばどんな形であれ、一生みーたんの中に自分という存在が残ってみーたんが忘れられなくなるとわかっています。「好き」と言う言葉でみーたんを縛ったわけです。でもそれはずっと言えなかった浅草の本心でもあるわけです。浅草兄さん卑怯なわけです。
それはまんまと成功するわけですが。みーたんがこれからどう生きていくか……ね……。
ごめん、みーたん。と謝っておきます。

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