神楽月のまったり日記。
取扱いジャンルやその他もろもろを萌えの赴くままにつらつらと。
ネタバレ考慮なし注意。
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ひとりで勝手にたぎっていたら、何だか身内で大盛り上がりしたネタです。
特殊ですので、注意を読んで平気という方だけスクローズプリーズ。
●ファンタジーパラレル風味
●メトロ皇国と都営帝国で戦争。
●都営帝国が侵略した。
●交流あった平和な時代に浅草と三田、東西、南北は交流があった。浅草と東西はとくに仲よかった。
●細かく設定考えてないです。
●しにネタ注意。
●流血描写注意。
●IAです。裏設定NTです。
平気そうならどうぞ!
1.
「悪いが、ここは通せねぇ」
剣を抜きながら三田は目の前の敵を睨み付けた。
「三田! もう止めよう! こんなことしてももう意味ねぇのはわかってるだろ!?」
敵のひとりが――東西が必死に叫んできた。言葉がなくとも表情を見れば、彼が本気で三田を案じ、心を痛めているのがわかる。
三田と、浅草を。
東西が浅草と親しかったのは知っている。三田としても東西は憎からず思っていた。南北を含め四人でいた時間は、今ならばはっきりと幸せだったといえる。
三田は悲痛な表情で話し掛けてくる東西と、彼の隣に控え何も言わずに睨み付けてくる南北に心の中で小さく礼を呟いた。
「お前の言うことはわかるがな。オレはあいつの傍を離れないと誓ったんだ。たとえ全世界があいつを否定しても、オレだけはあいつの傍にいるってな」
ぐっと東西が言葉を呑んだ。今にも泣きだしそうな表情に、三田は深い感謝を覚える。
「ホント馬鹿だよね。付き合いきれない」
呆れたように肩をすくめながら南北がさりげなく東西を制するように前に出てきた。
「南北!」
「でも、お前の『想い』は尊重してやるよ。感謝しろ」
「馬鹿。誰がお前なんかに感謝するか」
まるで幸せだった頃のように軽口を叩き、三田は僅かに唇の端を持ち上げる。
何かと反りの合わない奴だけれど、本気で憎いと思ったことはなかった。ただひとりだけを大切に思う気持ちに、互いに共通点を見いだしていたからかもしれない。
だからこそ、今の三田の気持ちを一番理解出来るのは南北なのだろうと思えた。
「手加減なんてしないよ」
「当然だ」
にっと笑い、剣を構える。
応じるように南北も細身の剣を抜くと構えた。
2.
東西たちが脱出のため部屋を出ていったのを見届けてから、浅草は自身の執務机にすがって立ち上がった。
無意識に手で押さえた傷口からはとめどなく命そのものといえる赤い雫が零れ落ちる。
火のはぜる音を聞きながら、浅草は小さく笑みを浮かべた。
上の命令に逆らえず友人のいる国を攻めた。残虐と罵られるようなことも幾度となくした。味方からすらも人心が離れ、大切な仲間も失い、あげく、劣勢になった途端、上から切り捨てられた。
国を捨てられなかったなどとは言い訳にすぎないかもしれない。ただ臆病だっただけだ。大切な仲間といる国を捨てるのが怖かっただけだ。
そうして友人の国を攻め、傷つけ、それなのに浅草を救おうと手を伸ばし続けていてくれた友人の手すら、振り払った。
そして、一番最初の記憶と同じく、独りになった。
それでも浅草は小さく笑みを浮かべる。
寂しくないといえば嘘だ。けれど、今の『独り』を選んだのは浅草自身だった。
「ごめんな、東西……でも、俺はいまさらお前の手を取ることなんて出来ないんだよ……それだけのことをしたんだ……俺のせいで、お前を危険な立場にするわけにはいかないんだよ……」
国は違えど大切な友人を思い浮かべ、浅草は笑みを深める。声を発するたびに手を染める色が増すが、気にも留めなかった。
致命傷となるはずの傷を与えたのは、東西だ。だが、それは浅草自身の望みでもあった。最期を東西の手で迎えられるならこんなにも幸せなことはない。
「ごめんな……東西」
泣いていた東西の顔を思い出し、小さく謝る。
そして重なるように、別の人物の怒った顔を思い出した。
誰よりも一番傍にいた人。浅草を孤独から救ってくれた、一番大切の彼。
なにがあっても傍にいる、と言ってくれた彼を、浅草自ら手放した。自分などに付き合って、落とさなくてもいい命を捨てさせたくはなかった。
最後の彼の顔を思い出す。いつも仏頂面の彼だったが、あのときは本気で怒っていた。傷付けてしまったが、それでも彼には生きていてほしかった。
「……今ごろは、国境、越えられた、かな……まだ怒ってるだろう、な……」
想像し、くすくすと笑う。途中、咳き込んだが浅草は気にはしなかった。
「恨んでいい……嫌ってくれ…………生きて、いてさえくれればそれで……」
「浅草……っ!!」
呟き目を閉じた浅草の耳に、怒声が飛び込んできた。
さすがに驚いて目を開ける。
ここにいないはずの声だった。いては、いけないはずの、声。
「うそ、だろ……」
力が抜け崩れ落ちる浅草の身体を鍛えられた腕がつかんだ。だが、支えきることが出来ずに、ふたりして床に座り込む。
「浅草……っ! しっかりしろ……!」
「なんで……なんで、いるんだよ……お前は、今頃は、国境を越えてるはずで、生きて、いなきゃいけなくて……ここに、いちゃダメで……っ」
「馬鹿。オレはお前の傍にいるって言ったろうが。何があっても、お前の傍にいる」
抱き締められ、囁かれる言葉に浅草は目を閉じた。
本当はいけないことなのに、こんなにも嬉しいなんて。
馬鹿だと思った。
彼も、自分も。
もう手放せなくなってしまう。
「馬鹿……」
「馬鹿はどっちだ」
「まったくだな」
くすくすと浅草は笑う。それは先ほどとは違い、とても幸せそうだった。
「傍にいる。ずっと一緒だ」
抱き締める彼に、浅草は素直に頷いた。もう強がる気にはなれなかった。
「ありがとう、三田……」
彼の身体が傷だらけと気づいたが、浅草は何も言わずに、まだ感じることの出来る彼の体温に心から笑みを浮かべた。
【ちょっと解説】
1は、浅草から「自分から離れて国を出ろ。もうお前なんて必要ない」など、ひどい言葉で突き放されて追い出された三田が、それでも浅草の傍にいると誓って、浅草を守ろうとしている感じです。もちろん浅草には無断で。なので浅草の部屋から離れた場所で東西たちを待ち構えていた感じです。
2は浅草と東西パーティ(どこのRPG)の戦闘後です。東西はとどめまではさせなかったです。火を放ってのはどっち陣営かは不明。みーたんは1の戦闘で負傷してます。とどめはやっぱりささなかったのです。自分も重傷ですが東西たちの勝利を知り、火の手があがっていることにも気づいて浅草のもとにかけつけました。彼を独りにしない為に。
ご都合主義です。前後とか考えてないもので辻褄も合わない感じで。
妄想を吐き出したかっただけです。楽しかった!(…)
特殊ですので、注意を読んで平気という方だけスクローズプリーズ。
●ファンタジーパラレル風味
●メトロ皇国と都営帝国で戦争。
●都営帝国が侵略した。
●交流あった平和な時代に浅草と三田、東西、南北は交流があった。浅草と東西はとくに仲よかった。
●細かく設定考えてないです。
●しにネタ注意。
●流血描写注意。
●IAです。裏設定NTです。
平気そうならどうぞ!
1.
「悪いが、ここは通せねぇ」
剣を抜きながら三田は目の前の敵を睨み付けた。
「三田! もう止めよう! こんなことしてももう意味ねぇのはわかってるだろ!?」
敵のひとりが――東西が必死に叫んできた。言葉がなくとも表情を見れば、彼が本気で三田を案じ、心を痛めているのがわかる。
三田と、浅草を。
東西が浅草と親しかったのは知っている。三田としても東西は憎からず思っていた。南北を含め四人でいた時間は、今ならばはっきりと幸せだったといえる。
三田は悲痛な表情で話し掛けてくる東西と、彼の隣に控え何も言わずに睨み付けてくる南北に心の中で小さく礼を呟いた。
「お前の言うことはわかるがな。オレはあいつの傍を離れないと誓ったんだ。たとえ全世界があいつを否定しても、オレだけはあいつの傍にいるってな」
ぐっと東西が言葉を呑んだ。今にも泣きだしそうな表情に、三田は深い感謝を覚える。
「ホント馬鹿だよね。付き合いきれない」
呆れたように肩をすくめながら南北がさりげなく東西を制するように前に出てきた。
「南北!」
「でも、お前の『想い』は尊重してやるよ。感謝しろ」
「馬鹿。誰がお前なんかに感謝するか」
まるで幸せだった頃のように軽口を叩き、三田は僅かに唇の端を持ち上げる。
何かと反りの合わない奴だけれど、本気で憎いと思ったことはなかった。ただひとりだけを大切に思う気持ちに、互いに共通点を見いだしていたからかもしれない。
だからこそ、今の三田の気持ちを一番理解出来るのは南北なのだろうと思えた。
「手加減なんてしないよ」
「当然だ」
にっと笑い、剣を構える。
応じるように南北も細身の剣を抜くと構えた。
2.
東西たちが脱出のため部屋を出ていったのを見届けてから、浅草は自身の執務机にすがって立ち上がった。
無意識に手で押さえた傷口からはとめどなく命そのものといえる赤い雫が零れ落ちる。
火のはぜる音を聞きながら、浅草は小さく笑みを浮かべた。
上の命令に逆らえず友人のいる国を攻めた。残虐と罵られるようなことも幾度となくした。味方からすらも人心が離れ、大切な仲間も失い、あげく、劣勢になった途端、上から切り捨てられた。
国を捨てられなかったなどとは言い訳にすぎないかもしれない。ただ臆病だっただけだ。大切な仲間といる国を捨てるのが怖かっただけだ。
そうして友人の国を攻め、傷つけ、それなのに浅草を救おうと手を伸ばし続けていてくれた友人の手すら、振り払った。
そして、一番最初の記憶と同じく、独りになった。
それでも浅草は小さく笑みを浮かべる。
寂しくないといえば嘘だ。けれど、今の『独り』を選んだのは浅草自身だった。
「ごめんな、東西……でも、俺はいまさらお前の手を取ることなんて出来ないんだよ……それだけのことをしたんだ……俺のせいで、お前を危険な立場にするわけにはいかないんだよ……」
国は違えど大切な友人を思い浮かべ、浅草は笑みを深める。声を発するたびに手を染める色が増すが、気にも留めなかった。
致命傷となるはずの傷を与えたのは、東西だ。だが、それは浅草自身の望みでもあった。最期を東西の手で迎えられるならこんなにも幸せなことはない。
「ごめんな……東西」
泣いていた東西の顔を思い出し、小さく謝る。
そして重なるように、別の人物の怒った顔を思い出した。
誰よりも一番傍にいた人。浅草を孤独から救ってくれた、一番大切の彼。
なにがあっても傍にいる、と言ってくれた彼を、浅草自ら手放した。自分などに付き合って、落とさなくてもいい命を捨てさせたくはなかった。
最後の彼の顔を思い出す。いつも仏頂面の彼だったが、あのときは本気で怒っていた。傷付けてしまったが、それでも彼には生きていてほしかった。
「……今ごろは、国境、越えられた、かな……まだ怒ってるだろう、な……」
想像し、くすくすと笑う。途中、咳き込んだが浅草は気にはしなかった。
「恨んでいい……嫌ってくれ…………生きて、いてさえくれればそれで……」
「浅草……っ!!」
呟き目を閉じた浅草の耳に、怒声が飛び込んできた。
さすがに驚いて目を開ける。
ここにいないはずの声だった。いては、いけないはずの、声。
「うそ、だろ……」
力が抜け崩れ落ちる浅草の身体を鍛えられた腕がつかんだ。だが、支えきることが出来ずに、ふたりして床に座り込む。
「浅草……っ! しっかりしろ……!」
「なんで……なんで、いるんだよ……お前は、今頃は、国境を越えてるはずで、生きて、いなきゃいけなくて……ここに、いちゃダメで……っ」
「馬鹿。オレはお前の傍にいるって言ったろうが。何があっても、お前の傍にいる」
抱き締められ、囁かれる言葉に浅草は目を閉じた。
本当はいけないことなのに、こんなにも嬉しいなんて。
馬鹿だと思った。
彼も、自分も。
もう手放せなくなってしまう。
「馬鹿……」
「馬鹿はどっちだ」
「まったくだな」
くすくすと浅草は笑う。それは先ほどとは違い、とても幸せそうだった。
「傍にいる。ずっと一緒だ」
抱き締める彼に、浅草は素直に頷いた。もう強がる気にはなれなかった。
「ありがとう、三田……」
彼の身体が傷だらけと気づいたが、浅草は何も言わずに、まだ感じることの出来る彼の体温に心から笑みを浮かべた。
【ちょっと解説】
1は、浅草から「自分から離れて国を出ろ。もうお前なんて必要ない」など、ひどい言葉で突き放されて追い出された三田が、それでも浅草の傍にいると誓って、浅草を守ろうとしている感じです。もちろん浅草には無断で。なので浅草の部屋から離れた場所で東西たちを待ち構えていた感じです。
2は浅草と東西パーティ(どこのRPG)の戦闘後です。東西はとどめまではさせなかったです。火を放ってのはどっち陣営かは不明。みーたんは1の戦闘で負傷してます。とどめはやっぱりささなかったのです。自分も重傷ですが東西たちの勝利を知り、火の手があがっていることにも気づいて浅草のもとにかけつけました。彼を独りにしない為に。
ご都合主義です。前後とか考えてないもので辻褄も合わない感じで。
妄想を吐き出したかっただけです。楽しかった!(…)
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