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神楽月のまったり日記。 取扱いジャンルやその他もろもろを萌えの赴くままにつらつらと。 ネタバレ考慮なし注意。
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まだですね、しらみねさんちはネットが繋がらないのですよ!またも携帯からですよ!
クッションなく山ジュニですよ!注意ですよ!山ジュニですよ!!






「なぁなぁ、すっげぇキレイなんだぜ!」
「…………こっちからは見えませんね」
 怖いくらいに綺麗な夕日が見えたから、東海道にも見てほしくて急いでかけた電話の答えは激しく冷静なものだった。
 まるで山の木々が燃えているように見えるくらい赤く、けれど惹かれてしまうほど綺麗な赤。
 東海道にも見せたかったな、と山陽は聞こえた答えに少し肩を落とした。
 同じ日本国内にいても、同じものが見れないのかと、寂しさを覚える。
「夕日も見えないですから……たぶん、ビルの影になっているんだと思いますけど……」
 状況を説明してくれる言葉に、少なくとも東海道が夕日を見ようとしてくれているのだと知った。それだけで気持ちは浮上するのだから、山陽としては自分のことながら呆れる。
「そっかぁ……残念だな。すっごい綺麗だからジュニアにも見せたかったのに」
 刻々と赤く燃えていた世界が、濃紺色に塗り替えられていく様を飽きることなく見つめながら、山陽は小さく苦笑を浮かべた。
 ふと。電話口から微かに溜め息が聞こえる。
 山陽が意識のすべてを電話の向こう側にいる東海道へ移したとき、柔らかな濃紺のヴェールが空と世界を覆った。
「ジュニア?」
「あ、もう日が落ちましたね」
 山陽が東海道へ溜め息の理由を問うのと、彼の言葉は同時だった。
 山陽は東海道の言葉を優先し、ひょいっと空を見る。
 すでに空には夕日はなく夜の色が広がっていた。
「ジュニアんとこも、もう暗いんだ?」
 山陽はふと思いつき、空を見上げたまま東海道へ問う。
「もちろんですよ。まぁ、ネオンがあるから、真っ暗ってわけじゃないですけど」
 東海道の答えに、山陽は嬉しくなって笑みを浮かべた。
 何キロも離れている。一緒に見たいと望んだものすら、見られない。けれど、確かに繋がっている。
 すべてではない。それでも離れていても、共有出来る同じものがあるのだ。
 たとえ、会えなくとも。
 そのことが山陽には何だかとても嬉しかった。
「ねぇねぇ、ジュニア」
「なんですか?」
 そっけなくも応えてくれる声に、さらに山陽の笑みが深まる。
「今度は一緒に見ようね、夕日」
 一瞬の間のあと。
「……機会があれば……いいですよ」
 小さくもちゃんとした承諾が聞こえ、山陽はとても幸せな笑顔を浮かべた。

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