神楽月のまったり日記。
取扱いジャンルやその他もろもろを萌えの赴くままにつらつらと。
ネタバレ考慮なし注意。
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(05/11)
(04/26)
(03/29)
(03/08)
(01/01)
最新トラックバック
プロフィール
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
やっぱりまだまだしらみねさんちはネットが繋がらないので!またも携帯からですよ!
クッションなくIAですよ!注意ですよ!IAですよ!!
ちなみにネットはいつ回復するか、まったく未定です。あは。
薄闇のなか、外にある喫煙スペース備え付けのベンチに座り、三田は紫煙を吐き出した。
夜になり、気温も昼間とは比べものにならないくらい、ぐっと落ちている。もちろん寒さは身に染みるのだが、喫煙への欲の方が勝るわけで。三田もダウンジャケットを着て、万全の体勢で煙草を吸いに出てきていた。
他人の車両基地になどいないで、宿舎の自室へ帰れば、暖かい室内で吸うことが出来る。そうわかっていても、三田はまだこの場を離れるつもりはなかった。
何故、という問いすら自らのなかには浮かばず、三田は僅かに空を見上げて紫煙を吐き出す。
都会の切り取られた薄闇の空へ煙が漂っては消えていく。
「なんだ、みーたん。こんなところにいたんだ?」
夜の静寂には似つかわしくない明るい声が響いた。
「寒くないの? 外なんかにいて」
三田が眉間に皺を寄せて視線を空から地上へ戻すと、浅草が笑顔で三田を見下ろしていた。
「好きで寒ぃってのに外にいるわけじゃねぇ! お前んとこの喫煙スペースがここだからだろうが!」
舌打ちをしつつ浅草を睨むが、彼はまったく気にした風もなく、あっけらかんと笑う。
「そっか、そーだよねぇ~」
言いながら浅草は自然な動作で三田の横に座った。浅草が笑うと、白い息が空へと昇っていく。
三田は小さく舌打ちをすると、短くなった煙草を灰皿へと押しつけた。そうして、すぐに新しい煙草へ火を点ける。
「で、お前、仕事はいいのかよ」
明日の点検の打ち合せがあるとかで車両基地にいるはずの浅草である。同じ敷地内とはいえ、何をふらふらしているのか、と三田は浅草を睨んだ。
「ああ、今終わったのよ。で、外来たってわけ」
さらりと。何でもないことのように言う浅草。
「そうかよ」
三田もそっけなく頷き、また紫煙を吐き出した。
「でね、今日、京急がさ、珍しく差し入れくれるって言うから、お菓子かと思ったらさ、カレーなんだぜ! もうお茶の時間だってのに! あいつが好きなのはわかるけど、お茶の時間にカレーはないよなぁ」
浅草が聞いてもいないのに、今日あった出来事を喋り出す。三田は煙草を吸いながら、適当に聞いていた。
ふとした瞬間に、ベンチについていた手が触れた。
小指同士が僅かに絡み合う。
だが、どちらも何も言わず、それ以上何もせず、浅草は喋り続け、三田は適当に聞いていた。
唯一繋がっている小指から、ぬくもりと呼ぶには熱すぎる熱が伝わってくる。
どちらのものか。白い息が闇に溶けていく。
寒いなか、どちらもその場を動こうとはしなかった。
クッションなくIAですよ!注意ですよ!IAですよ!!
ちなみにネットはいつ回復するか、まったく未定です。あは。
薄闇のなか、外にある喫煙スペース備え付けのベンチに座り、三田は紫煙を吐き出した。
夜になり、気温も昼間とは比べものにならないくらい、ぐっと落ちている。もちろん寒さは身に染みるのだが、喫煙への欲の方が勝るわけで。三田もダウンジャケットを着て、万全の体勢で煙草を吸いに出てきていた。
他人の車両基地になどいないで、宿舎の自室へ帰れば、暖かい室内で吸うことが出来る。そうわかっていても、三田はまだこの場を離れるつもりはなかった。
何故、という問いすら自らのなかには浮かばず、三田は僅かに空を見上げて紫煙を吐き出す。
都会の切り取られた薄闇の空へ煙が漂っては消えていく。
「なんだ、みーたん。こんなところにいたんだ?」
夜の静寂には似つかわしくない明るい声が響いた。
「寒くないの? 外なんかにいて」
三田が眉間に皺を寄せて視線を空から地上へ戻すと、浅草が笑顔で三田を見下ろしていた。
「好きで寒ぃってのに外にいるわけじゃねぇ! お前んとこの喫煙スペースがここだからだろうが!」
舌打ちをしつつ浅草を睨むが、彼はまったく気にした風もなく、あっけらかんと笑う。
「そっか、そーだよねぇ~」
言いながら浅草は自然な動作で三田の横に座った。浅草が笑うと、白い息が空へと昇っていく。
三田は小さく舌打ちをすると、短くなった煙草を灰皿へと押しつけた。そうして、すぐに新しい煙草へ火を点ける。
「で、お前、仕事はいいのかよ」
明日の点検の打ち合せがあるとかで車両基地にいるはずの浅草である。同じ敷地内とはいえ、何をふらふらしているのか、と三田は浅草を睨んだ。
「ああ、今終わったのよ。で、外来たってわけ」
さらりと。何でもないことのように言う浅草。
「そうかよ」
三田もそっけなく頷き、また紫煙を吐き出した。
「でね、今日、京急がさ、珍しく差し入れくれるって言うから、お菓子かと思ったらさ、カレーなんだぜ! もうお茶の時間だってのに! あいつが好きなのはわかるけど、お茶の時間にカレーはないよなぁ」
浅草が聞いてもいないのに、今日あった出来事を喋り出す。三田は煙草を吸いながら、適当に聞いていた。
ふとした瞬間に、ベンチについていた手が触れた。
小指同士が僅かに絡み合う。
だが、どちらも何も言わず、それ以上何もせず、浅草は喋り続け、三田は適当に聞いていた。
唯一繋がっている小指から、ぬくもりと呼ぶには熱すぎる熱が伝わってくる。
どちらのものか。白い息が闇に溶けていく。
寒いなか、どちらもその場を動こうとはしなかった。
PR
この記事にコメントする